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ChatGPT広告
2026.09.30
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ChatGPT広告の年換算収益10億ドル到達|海外向け出稿で確認したい条件

OpenAIは2026年8月31日、ChatGPT広告の年換算の収益ランレートが10億ドルに達したと発表しました。ローンチから200日足らずでの到達です。広告主の数は数万に上り、提供地域も広がり続けています。

9月23日には東南アジアと台湾への展開も発表され、ChatGPT広告の提供国は60か国を超えました。

8月31日の発表の概要

発表の主なポイントは次のとおりです。

・収益規模と広告主数
ローンチから200日足らずで、年換算の収益ランレートが10億ドルに達しました。数万の広告主がChatGPT広告を利用しています。

・広告主が直接申し込み/運用できる地域の拡大
発表当日から、インド、欧州、中東、北アフリカでAds Manager(広告管理画面)を通じた直接購入が可能になりました。その後9月23日には、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾への展開も始まっています。

・米国外の広告主の存在感
OpenAIによると、米国外の広告主が収益に占める割合は伸びています。大口の広告主の多くは、複数の市場にまたがって潜在顧客へリーチしているとのことです。

・中小企業への広がり
5月にAds Managerが導入されたことで、中小企業も出稿しやすくなりました。OpenAIは、中小企業がすでに事業のなかで無視できない割合を占めていると説明しています。

OpenAIは広告を、個人向けサブスクリプション、法人向けサービス、従量課金のAPIと並ぶ収益の柱の一つと位置づけています。広告収入は無料プランの提供を支えており、ChatGPTの週間アクティブユーザーは10億人を超えています。

ChatGPT広告の基本的な仕組み

ChatGPT広告を検討するにあたって、まず押さえておきたい仕組みを整理します。

・広告が表示されるユーザー
広告が表示されるのは、無料プランとGoプランのユーザーです。Plus、Pro、Businessなどの有料プランのユーザーには表示されません。また、18歳未満と判定されたアカウントにも表示されません。

・広告の表示位置と構成要素
広告はChatGPTの回答の下に表示されます。構成要素は、広告主名、ファビコン(広告主のロゴ)、タイトル、説明文、画像、ランディングページです。

・配信の決まり方
広告は、いま交わされている会話の文脈や意図をもとに選ばれます。広告のタイトルや説明文、ランディングページの内容、広告主が登録する「コンテキストヒント」も判断材料になります。国やユーザーの設定によっては、そのユーザーのChatGPT利用全体から得た一部のシグナルも使われます。

・オークションの方式
配信する広告は、関連性で重み付けしたセカンドプライスオークションで選ばれます。入札額だけでなく、ユーザーにとっての関連性も考慮される仕組みです。

・回答との分離
広告には常に広告であることが明示され、ChatGPTの回答とは分けて表示されます。OpenAIは、広告がChatGPTの回答内容に影響を与えることはないと明言しています。広告主がユーザーの会話内容を閲覧することもできません。ユーザーは、広告のパーソナライズを自分で管理できます。

高度化が進む広告プラットフォームの機能

ChatGPT広告は、運用型広告として一般的な機能を急速に備えつつあります。発表では、次のような状況が示されました。

・入札方式
キャンペーンの大半で、クリック課金(CPC)や成果を最適化する入札が使われています。キャンペーンの目的は、表示回数(CPM)、クリック数(CPC)、コンバージョンの3種類から選べます。コンバージョンを目的にした場合も、課金はクリックまたは表示回数に対して発生し、コンバージョン単位では課金されません。

・計測の基盤
ピクセルとConversions APIが、効果測定と最適化の重要な基盤になっています。

・ターゲティング
商品フィード、配信プラットフォームの指定、地域ターゲティング、カスタムオーディエンスといった機能が使えます。配信プラットフォームは、Androidアプリ、Androidのウェブ、デスクトップのウェブ、iOSアプリ、iOSのウェブから選択できます。

・パートナー連携
当初は営業担当者や広告代理店、パートナー経由の販売が中心でした。現在は、50社を超える技術・計測パートナーと連携しています。

日本企業が海外向けに出稿する際に確認したい条件

海外の顧客獲得を目的にChatGPT広告を使う場合、事前に知っておきたい制約がいくつかあります。いずれもOpenAIのヘルプセンターに記載されている条件です。

・出稿する法人の所在国
Ads Managerを使うには、広告を出稿し請求を受ける法人が、利用可能国として掲載された国に所在している必要があります。日本は利用可能国に含まれているため、日本法人のアカウントで出稿を始められます。

・国、通貨、タイムゾーンは後から変更できない
アカウント作成時に選んだ国、請求通貨、タイムゾーンは、後から変更できません。変更したい場合は、新しい広告アカウントを作り直す必要があります。海外子会社の名義で運用するのか、日本本社で運用するのかは、アカウント作成前に決めておきましょう。

・広告代理店に運用を任せる場合のアカウント作成
広告アカウントは、広告主となる企業自身が作成します。ChatGPTから操作できる「ChatGPT Ads Manager」では、代理店がクライアントの代わりにアカウントを作成することには対応していません。広告主がアカウントを作成したあとに、代理店を招待する流れになります。海外の代理店に現地向けの運用を任せる場合も、アカウントの名義と作成の段取りを事前にすり合わせておきましょう。

・新規アカウントは自国向けにしか配信できない場合がある
新規アカウントの一部は、開設当初はアカウントに紐づく国にしか配信できません。キャンペーンでほかの国を選んでも、この制限は解除されません。本人確認が承認され、自国向けのキャンペーンで所定の広告費を消化すると、ほかの対応国にも配信できるようになります。キャンペーンの作成や予算の設定だけでは条件を満たさない点に注意が必要です。海外向けの配信開始時期を計画に組み込む際は、この準備期間を見込んでおくと安心です。

・国指定の方法
特定の国だけに配信したい場合は、その国を配信地域として明示的に含める必要があります。ほかの国を除外するだけでは、配信先は限定されません。

・最低予算
1日あたりの最低予算は、アカウントの請求通貨ごとに決まっています。日本円で請求するアカウントの場合は2,500円です。

・欧州経済領域とスイス向けのカスタムオーディエンス
欧州経済領域(EEA)とスイスでは、現在、広告のパーソナライズが提供されていません。そのため、これらの地域を対象にするキャンペーンでは、カスタムオーディエンスを使わないようOpenAIは案内しています。

・ランディングページのクローラー対応
OpenAIは広告の審査のために、クローラーでランディングページを確認します。審査に必須なのは「OAI-AdsBot」で、「OAI-SearchBot」の許可も推奨されています。robots.txtでの拒否だけでなく、WAFやCDNのボット対策、CAPTCHA、ログイン要求、地域によるアクセス制限もクロールを妨げる原因として挙げられています。海外からのアクセスを制限している日本語サイトや、国ごとに振り分けを行っている多言語サイトでは、事前にエンジニアやセキュリティ担当者と設定を確認しておきましょう。

コンテキストヒントの書き方

ChatGPT広告は「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の3階層で構成されます。コンテキストヒントは、この広告グループごとに登録する補足情報で、どのような会話で広告が関連しうるかをOpenAIのシステムに伝える役割があります。

コンテキストヒントは、検索連動型広告のキーワードとは性質が異なります。完全一致のキーワードではなく、登録した言葉どおりの会話に配信されるとは限りません。配信先の国や時間帯を制限する指示として使うこともできません。

OpenAIは、商品やサービスについて次の3つの観点から書くことを勧めています。

・何を提供しているか
商品の機能、サービス内容、価格、提供状況、対応地域などです。

・誰に向いているか
顧客のニーズや好み、置かれている状況です。

・どのような場面で役立つか
商品やサービスが役立つ状況や、検討の場面です。

キーワードを羅列するのではなく、1つの内容に絞った自然な文章で書くことがポイントです。たとえば、日本製の業務用包丁を欧州に販売する企業であれば、「欧州で和食店を開業するシェフ向けの、研ぎ直しサービス付き業務用和包丁」のような書き方が考えられます。価格や対応地域が変わったときは、ヒントも更新しておきましょう。

効果測定の方法

Ads Managerのレポートでは、表示回数、クリック数、費用、クリック率、平均クリック単価、平均インプレッション単価、コンバージョンを確認できます。表示回数、クリック数、クリック率はおよそ15分ごとに更新されます。一方で、費用の反映には7〜8時間ほどかかる場合があります。

コンバージョンを計測するには、Ads Managerで計測の設定を行います。また、ランディングページのURLにUTMパラメータを付ければ、既存のアクセス解析ツールでChatGPT広告経由の流入を把握できます。海外向けに複数の国で配信する場合は、国ごとにキャンペーンを分けておくと、成果の比較がしやすくなります。OpenAIも、目的や地域、商品カテゴリーが大きく異なる場合はキャンペーンを分けることを勧めています。

今後の展開と、海外マーケティング担当者が次にすべきこと

OpenAIは今後、提供市場をさらに広げるとともに、広告フォーマットや目的、購入方法、計測機能を追加する予定です。ChatGPTのなかで、企業がより自然な形でユーザーと接点を持つ方法も模索するとしています。

ChatGPTでは、ユーザーが情報収集から比較検討、意思決定までを一つの会話のなかで進めます。こうした検討の場面で自社の商品を知ってもらえる点は、海外で新たな顧客を開拓したい企業にとって魅力的です。

一方で、広告はChatGPTの回答内容には影響しないとOpenAIは明言しています。広告を出稿しても、ChatGPTの回答のなかで自社が紹介されやすくなるわけではありません。回答のなかで自社の情報が参照されるための取り組みは、これまでどおり、多言語サイトの整備やAIO(AI検索最適化)の施策として進める必要があります。広告と自然な露出を別々の施策として計画し、両方を組み合わせて検討の場面での接点を増やしていくことが大切です。

まずは次の点から確認してみてください。

・自社サイトのクローラー対応
OAI-AdsBotとOAI-SearchBotがランディングページにアクセスできるか、robots.txtとボット対策の設定を確認します。

・アカウントを作成する法人の決定
国、通貨、タイムゾーンは後から変更できないため、どの法人で運用するかを先に決めます。

・自国配信から始める計画
新規アカウントは当初、自国向けにしか配信できない場合があります。まずは日本国内向けのキャンペーンで運用に慣れつつ、海外配信の条件を満たす計画を立てておくと進めやすくなります。

※本コラムの内容は2026年9月28日時点の情報に基づいています。ChatGPT広告の提供国や機能は頻繁に更新されているため、最新の情報はOpenAIのヘルプセンターでご確認ください。

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【記事監修】
Kollega株式会社 代表取締役CEO
菊池 明(きくち あきら)

2005年デジタルマーケティング支援企業に新卒入社。(2005年に上場)大手、上場企業のクライアントを中心にデジタルマーケティングに従事。2010年以降、海外法人の執行役員、取締役を歴任し、2019年同社副社長としてマーケティング事業を統括。メイン担当者として延べ20年、25か国/300社以上のコンサルティング実績を有する。2023年12月当社を設立、代表取締役CEOに就任する。

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