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2026.08.03
 
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海外SEO(多言語SEO)とは?必要な対策とAIO時代の視点を解説 (2026年8月更新)

目次

  1. 1.海外SEO(多言語SEO)とは
  2. 2.海外SEOと国内SEOの違い
  3. 3.海外SEOのメリット
  4. 4.海外SEO戦略の立て方
  5. 5.海外SEO対策の実務
  6. 6.海外SEO×AIO対策
  7. 7.海外SEO競合分析
  8. 8.よくある質問(FAQ)
  9. 9.まとめ:AIO時代に必要な海外SEOの視点

1. 海外SEO(多言語SEO)とは

海外SEO(多言語SEO)とは、対象国の検索エンジンおよび現地言語での検索において、自社サイトが自然検索結果の上位に表示され、あわせてAI検索の回答内でも取り上げられるように最適化する取り組みです。

以前は「検索結果の上位表示」がゴールでしたが、GoogleのAI Overviewや生成AIによる検索体験が広がったことで、順位だけでなく「AIにどう扱われるか」も評価すべき対象になっており、海外SEOはこの両方を視野に入れて設計する必要があります。

国内SEO・海外SEO・AIOの関係性

2. 海外SEOと国内SEOの違い

海外SEOと国内SEOは基本の考え方こそ共通していますが、対象国特有の要素への対応が必要になる点で大きく異なります。具体的には検索エンジンの特性、サーバーやドメインなどのインフラ環境、言語処理、各国の法規制などです。

以下の表に主な違いをまとめました。

海外SEOと国内SEOの違い

3. 海外SEOのメリット

海外SEOの大きな利点は、現地に拠点を持たずにプロモーションを始められる点です。対象国向けのWebサイトを用意すれば、代理店を介さずにプロモーションを実施できます。

もう一つの利点はコスト構造です。海外向けのWeb広告は継続的に予算がかかりますが、SEOは一度体制を整えれば追加コストを抑えながら集客を続けられます。生成AI経由の流入という新しいチャネルが育ちつつある今、この資産性はさらに意味を持つようになっています。

Web広告とSEOのコスト構造の違い

一方でデメリットも押さえておく必要があります。
SEOは効果が出るまでに時間がかかり、対策キーワードや競合状況によっては成果が出るまで半年以上を要することもあります。加えて、検索エンジンのアルゴリズム変更によって順位が変動するリスクも常につきまといます。
海外SEOの場合、後述するようにアップデートの適用時期が国や言語によって前後する点も、国内SEOとの違いとして意識しておく必要があります。

4. 海外SEO戦略の立て方

4-1. SEOの評価項目8分類

海外SEOを改善するには、まず検索エンジンがどのような観点でサイトを評価しているかを理解しておく必要があります。評価項目そのものは国内向けと海外向けで違いはありませんが、海外SEOでは特に「技術面」「ユーザー体験」の2軸を厚めに見ておくと、対象国特有のつまずきに早く気づけます。

技術面では、クローラーがサイト構造を正しく読み取れるか(クローラビリティ)、サーバーやドメイン設定に問題がないかといった土台部分を確認します。この部分は次章の技術基盤設計とも重なるため、後ほど具体的な設定とあわせて解説します。

ユーザー体験の面で近年特に重視されているのが、Core Web Vitalsと呼ばれる指標群です。ページの主要コンテンツが表示されるまでの速さ、ユーザーの操作にどれだけ早く反応するか、表示中にレイアウトが不安定に動かないか、という3つの観点で構成されています。海外向けサイトの場合、サーバーが日本にあると対象国からのアクセスで表示が遅くなりやすいため、対象国側から実際にページを開いて速度を確認しておくことをおすすめします。

このほか、外部サイトからの評価(被リンクやSNSでの言及)やコンテンツの独自性も引き続き重要な評価軸です。海外SEOでは、これらの評価軸に対象国の言語・インフラ特有の事情を掛け合わせて評価される点を意識しておく必要があります。

サイト評価9つのチェック項目

4-2. 各国の検索エンジンシェア

国内SEOでは主にGoogleを対策すれば足りますが、海外SEOでは対象国の検索エンジンシェアを把握しておくことが前提になります。世界全体で見るとGoogleのシェアが高い一方、国によっては国産の検索エンジンが根強く使われており、対象国を決めた段階で検索エンジンシェア調査サービスを使い、Google以外の対策が必要かどうかをまず確認してください。特にアジア圏では国ごとに主要エンジンが分かれやすく、Googleのシェアが9割を超える国もあれば、4割程度にとどまり現地エンジンが一定の存在感を持つ国もあります。

あわせて意識しておきたいのが、アルゴリズムアップデートの適用順序です。Googleのコアアップデートは英語圏から先行して展開され、英語以外の多言語サイトや日本語サイトへの反映はそれよりやや遅れて、ほぼ同時期に行われる傾向があります。海外向けサイトの順位変動を見る際は、この時間差を踏まえて評価するようにしてください。

検索エンジンシェア比較(15カ国・PC)

検索エンジンシェア比較(15カ国・モバイル)

4-3. 3C分析

海外SEOも、3Cのフレームワークを使って整理すると設計しやすくなります。ただし国内向けの3C分析とは、見るべき対象や情報源が変わってくる部分があります。

Companyでは、自社サイトの現状課題を国・言語ごとに分解して洗い出します。Google Search Consoleの国別・言語別のパフォーマンスを確認すると、特定の国だけ表示回数に対してクリック率が低い、特定の言語ページだけインデックスが遅れている、といった課題が見えてきます。日本語サイト全体の数値だけを見ていると、こうした国・言語ごとの差は埋もれてしまいます。

Competitorでは、対象国のGoogle(例:google.co.th、google.de)で実際に対策キーワードを検索し、上位表示されているサイトを直接確認することが出発点になります。ここで特に注意したいのが競合の捉え方です。多くの企業は同業の日系企業を競合として意識しますが、事業上の競合と検索結果上の競合は別物です。実際に検索してみると、他国のグローバル企業のサイトや、現地企業のサイトが上位を占めているケースが多く、日系企業が競合としてほとんど登場しないことも珍しくありません。

Customerでは、対象国の検索ユーザーが何を求めているかを、現地語のキーワード調査ツール(Google広告のキーワードプランナーを対象国・言語に設定する、Ahrefsなどで国別データベースを指定するなど)を使って調べます。ここで見るべきは検索数だけでなく、検索語の言い回しそのものです。5-1で触れるように、同じ意図でも国によって「名詞の並び」で検索されるか「動詞を含む表現」で検索されるかが異なるため、日本語での想定をそのまま持ち込まないことが重要です。

海外SEOに置き換えた3C分析

5. 海外SEO対策の実務

5-1. 技術基盤の設計(ドメイン/ディレクトリ・hreflang)

海外向けサイトを立ち上げる際、最初に決めるべきなのがドメインとディレクトリの構成です。日本語サイトと区別するために、どちらかを選んで設計します。検索結果への影響に大きな差はないとされていますが、判断基準としては「今後何カ国に展開する見込みか」「各国の運用をどこまで独立させたいか」を軸に考えると選びやすくなります。

例えば、今後5カ国以上への展開を見込んでおり、各国ごとに価格やキャンペーン内容を柔軟に変えたい場合は、国別にccTLDやサブドメインを分ける構成のほうが、運用上の独立性を保ちやすくなります。一方、当面は2〜3言語程度で、コンテンツの大部分を共通化したまま展開する場合は、ディレクトリで管理したほうが更新の手間や社内の管理コストを抑えられます。展開国数が読めない立ち上げ初期の段階では、あとから移行しやすいディレクトリ構成を選び、事業が拡大した段階でドメイン分割を検討する、という進め方も現実的です。

なお、日本語サイトを同一URL上で自動翻訳しただけの構成はSEO効果が見込みにくいため、言語ごとにURLを分けて設計してください。

ドメイン構成3パターンの比較

構成が決まったら、次に必須となるのがhreflangタグの設定です。対象国・対象言語向けのページであることを検索エンジンに伝える仕組みで、これを設定していないと、シンガポールで英語検索をした際にアメリカ向けのページが表示されてしまうといった事象が起こります。仕組み自体は広く知られている一方、双方向指定の漏れや言語コードの誤りなど実装ミスが多い領域でもあり、正しく設定するだけで一定の優位性を確保できます。

例えば、アメリカ向けとシンガポール向けに、それぞれ現地語ではなく英語で情報発信するサイトを運用している場合、hreflangでは次のように国と言語の組み合わせを指定します。

<link rel=”alternate” hreflang=”en-US” href=”https://example.com/en-us/” />
<link rel=”alternate” hreflang=”en-SG” href=”https://example.com/en-sg/” />

さらに、ユーザーの言語設定がどのページとも一致しない場合に表示する代替ページを指定するhreflang=”x-default”も、多言語サイトでは合わせて設定しておくと安心です。

<link rel=”alternate” href=”https://example.com/” hreflang=”x-default” />


構成設計からhreflang実装までの流れ

5-2. キーワード・コンテンツ設計

技術基盤が固まったら、対象国向けのキーワード選定とコンテンツ制作に進みます。この2つは切り離せない工程のため、まとめて設計するとムダがありません。

キーワードを選ぶ際は、検索数や難易度だけでなく、対象国特有の検索トレンドを踏まえる必要があります。日本語をそのまま翻訳した単語の並びが、現地の検索行動と一致しないことがあるためです。

例えば英語圏の観光客が日本の観光地を調べる際、日本人は「東京+観光地」のように「名詞+名詞」の組み合わせで検索されることが多いのに対し、英語では「things to do in Tokyo」「東京でやるべきこと(=東京でおすすめの観光スポット・体験)」のような定型句の方が検索数が多い傾向が見られます。実際に月間検索数を比較すると、動詞を含む表現が数千回規模であるのに対し、名詞の並びだけの表現は数十回程度にとどまるケースがあります。こうしたズレを避けるために、ネイティブスタッフによる検索トレンドの確認は欠かせない工程です。

現地の検索行動と日本語想定のズレ

選定したキーワードをもとにコンテンツを制作する段階でも、ネイティブスタッフによる現地言語での作成が基本になります。自動翻訳をそのまま掲載する構成は、検索エンジンが別言語のページとして正しく認識できないことがあり、推奨されません。

直訳とローカライズの違いは、文章の間違いというより「伝わり方」の差として表れます。例えば日本語の「安心してご利用いただけます」を英語にそのまま置き換えると、対象国の読者にはやや過剰にへりくだった表現に感じられることがあり、現地では保証内容や実績を数値で示す言い回しの方が説得力を持つ、といったケースがあります。日付や通貨の表記、単位(メートル法かヤード・ポンド法か)といった細部も、直訳ではそのまま残ってしまいがちな部分です。現地の文化や検索ユーザーの感覚を踏まえたローカライズができているかどうかが、コンテンツの質を左右します。

直訳とローカライズの違い

5-3. 法規制・コンプライアンス対応

技術面・コンテンツ面の設計と並行して確認しておきたいのが、対象国の法規制です。国によって内容が大きく異なるため、展開前に個別の確認が欠かせません。例えばブラジルには個人データの取得・利用に関するLGPD、インドにはDPDP法という個人情報保護の枠組みがあり、いずれもEUのGDPRとは別に、対象国ごとに同意取得やデータ保管場所の要件を確認する必要があります。中国のように、独自のセキュリティ規制やサーバー利用登録が絡み、参入のハードル自体が高い国もあります。

対象国ごとの法規制の違い

5-4. 効果測定体制の構築

サイトを公開した後は、国・言語ごとに成果を追える計測体制を整えておく必要があります。日本語サイトと同じ感覚で全体の数値だけを見ていると、特定の国や言語だけが伸び悩んでいることに気づけません。

Google Search ConsoleやGA4は、国・言語別のプロパティやデータストリームを分けて設定しておくと、どの市場で表示回数やクリック率が伸びていないかを個別に確認できます。あわせて、SimilarWebのような外部ツールで対象国における競合サイトの流入規模を把握しておくと、自社の伸びしろを客観的に判断しやすくなります。

国・言語別の効果測定体制

5-5. 運用ガイドライン・体制構築

複数の国・言語でサイトを運用する企業は、Webサイト制作のガイドラインにSEO項目をあらかじめ組み込んでおくと運用がぶれません。タイトルタグに対策キーワード・ページカテゴリ・企業名を入れる、といったルールを国ごとに定めておくとよいでしょう。

SEO項目を組み込んだガイドライン例

6. 海外SEO×AIO対策

Google検索の結果画面にAI Overviewが表示される機会が増え、生成AIを介した検索体験そのものが広がっています。海外SEOにおいても、順位対策とあわせてAIにどう扱われるかを意識する段階に入っています。

6-1. AI Overview/AI Modeと検索順位の関係

AI OverviewやAI Modeは、Googleのランキングアルゴリズムが選び出した検索結果を情報源として回答を生成する仕組みです。つまり、検索順位が一定水準になければ、AIに参照される機会自体が生まれません。順位対策とAIO対策は対立するものではなく、順位対策の上にAIO対策が積み重なる関係にあります。

検索結果がAIの情報源になる流れ

6-2. E-E-A-Tの強化

AI Overviewが情報源を選ぶ際にも、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4要素、いわゆるE-E-A-Tが影響すると考えられています。多言語サイトの場合、翻訳版のページに著者情報や監修者情報が引き継がれていないケースが少なくありません。各言語ページにも執筆者・監修者のプロフィールを明記し、経験や専門性が伝わる形にしておくことが、AIO時代の海外SEOでは重要になります。

6-3. 多言語コンテンツの構造化データ対応

多言語サイトでは、Organization、Product、FAQPageといったSchema.orgの構造化データを各言語ページに正しく実装しておくことが重要です。AI検索エンジンは構造化データを手がかりにコンテンツの内容を判断するため、多言語展開時にこの対応が漏れていないか確認が必要です。

多言語ページの構造化データ対応

6-4. llms.txtの整備状況

llms.txtは、サイトの情報をAIが読み取りやすい形で提示するための新しいファイル形式です。言語圏によっては整備している企業がまだ少なく、多言語サイトの一部言語だけでも導入しておくことで、その言語圏のAI検索での露出を高められる可能性があります。

llms.txtの整備

7. 海外SEO競合分析

海外SEOの競合分析では、事業上の競合と検索結果上の競合を混同しないことが出発点になります。同業の日系企業だけでなく、対象キーワードで実際に上位表示されている他国のサイトや現地企業のサイトも競合として捉える必要があります。

分析の優先順位は、まずSEO経由の流入があるかどうか、次にTOPページやコラムで一般ワードを意識したタグラインが実装されているか、最後に多言語ページ固有のタグが設定されているかという順で確認します。あわせて、競合の多言語ページがAI検索でどのように引用されているかも見ておくと、AIO時代の競合分析としての精度が上がります。

事業競合と検索競合を分けた分析フロー

8. よくある質問8(FAQ)

Q. 海外SEOとAIO対策の違いは何ですか。 海外SEOは対象国の検索エンジンで上位表示を狙う取り組み全般を指し、AIO対策はそのなかでもAI検索の回答に取り上げられることを狙った施策です。AIO対策は海外SEOの土台の上に成り立ちます。

Q. hreflangタグは今も必要ですか。 必要です。複数言語・複数国向けにページを展開する場合、検索エンジンに対象ページを正しく伝える手段として現在も推奨されています。

Q. llms.txtは必ず設置すべきですか。 必須ではありませんが、AI検索経由の流入を意識する企業にとっては優先度の高い施策です。特に競合の整備が進んでいない言語圏では効果が出やすい領域です。

Q. 海外SEOの成果が出るまでの期間はどれくらいですか。 国内SEOと同様に、対策開始から数か月単位の期間を見込んでおくのが一般的です。対象国の競合状況や既存サイトの評価によって差が出ます。

9. まとめ:AIO時代に必要な海外SEOの視点

海外SEOは、検索エンジンごとの特性、インフラ、言語、法規制といった従来からの論点に加えて、AI検索にどう扱われるかという視点が加わりました。順位対策を土台としながら、hreflangや構造化データ、llms.txtといった技術面の整備を進めることが、これからの海外SEOの差別化ポイントになります。

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【記事監修】
Kollega株式会社 代表取締役CEO
菊池 明(きくち あきら)

2005年デジタルマーケティング支援企業に新卒入社。(2005年に上場)大手、上場企業のクライアントを中心にデジタルマーケティングに従事。2010年以降、海外法人の執行役員、取締役を歴任し、2019年同社副社長としてマーケティング事業を統括。メイン担当者として延べ20年、25か国/300社以上のコンサルティング実績を有する。2023年12月当社を設立、代表取締役CEOに就任する。

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