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2026.09.24
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6-2.E-E-A-Tの仕組みと多言語サイトで信頼性を高める対策

AI Overviewが情報源を選ぶ際にも、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4要素、いわゆるE-E-A-Tが関わっていると考えられています。ただしE-E-A-Tは、ランキングそのものを決める単一の指標ではなく、Googleが良質なコンテンツを見極めるための考え方全体を指すものです。まずこの前提を正しく押さえたうえで、海外SEO・多言語サイトの観点から実務上どこに気をつけるべきかを見ていきます。

E-E-A-Tについて

E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったもので、Googleが良質なコンテンツを見極めるために使う考え方です。Googleは公式ドキュメントの中で、この4要素のうち信頼性(Trust)が最も重要であり、他の3要素は信頼性を裏づける役割を果たすと説明しています。すべてのコンテンツが4要素すべてを満たす必要はなく、たとえば実体験に基づく経験だけで役立つコンテンツもあれば、専門性の高さだけで役立つコンテンツもある、という位置づけです。

重要なのは、E-E-A-Tそのものは特定のランキング要因ではないとGoogleが明言している点です。Googleのランキングシステムは多数の要因を組み合わせてコンテンツを評価しており、E-E-A-Tはその評価の観点を整理した考え方にすぎません。ただし、健康・お金・安全に大きな影響を与えうるトピック、いわゆるYMYL(Your Money or Your Life)に該当する場合は、E-E-A-Tと整合したコンテンツにより大きな重みが置かれるとGoogleは説明しています。

検索品質評価ガイドラインとコンテンツの自己評価

Googleは、検索品質評価者(Search Quality Raters)と呼ばれる外部の協力者を通じて、検索結果の品質を継続的に確認しています。評価者はGoogleが公開している検索品質評価ガイドラインに基づいてE-E-A-Tを判断しますが、この評価データはランキングアルゴリズムに直接組み込まれるものではなく、アルゴリズムが意図通りに機能しているかを確認するためのフィードバックとして使われます。

Googleは、こうしたガイドラインの考え方を踏まえて、コンテンツ制作者自身が自分のコンテンツを見直す視点として、「誰が(Who)」「どうやって(How)」「なぜ(Why)」という3つの問いを挙げています。「誰が」は、誰が書いたコンテンツかが読者にとって自明かどうか、著者名(バイライン)が掲載されているか、そのバイライン先に著者の経歴や専門性がわかる情報があるかを指します。「どうやって」は、コンテンツがどのように作られたかを示す情報(商品レビューであれば検証台数や検証方法など)、自動生成やAI活用がある場合はその旨の開示を指します。「なぜ」は、そのコンテンツが読者のために作られたものか、それとも検索エンジンからの流入だけを目的に作られたものかという、コンテンツ制作の動機そのものを指します。

AI Overviewとの関係についての位置づけ

AI OverviewやAI Modeなどの生成AI機能は、Google自身が「コアとなる検索ランキングと品質システムに根差している」と説明しています。E-E-A-Tはこの品質システムの中核的な考え方の一つであるため、生成AI機能が参照する情報源の選定にも、通常の検索結果と同様にE-E-A-T的な観点が土台として働いていると考えるのは自然な推論です。ただし、Googleが「AI Overviewは著者情報の有無を直接のシグナルとして使っている」といった形で明示的に説明しているわけではありません。この点は、Google自身の一次情報から確実に言えることと、業界で広く共有されている推論とを分けて理解しておく必要があります。

多言語サイトで著者情報が失われやすい問題

海外向けにコンテンツを多言語展開する際、翻訳作業の過程で著者・監修者のプロフィール部分が省略されてしまうケースは珍しくありません。たとえば、日本語版のコラムには執筆者の資格や経歴、監修者名へのリンク付きプロフィールが明記されているのに、ドイツ語版では翻訳の過程でその部分がまるごと省かれ、本文だけが翻訳されて著者名の記載がない状態で公開されている、といったことが起こり得ます。この場合、日本語版では確認できるはずのE-E-A-Tの要素が、ドイツ語版では読者からもGoogleからも確認できない状態になってしまいます。

Googleの「誰が」の観点に照らすと、これは各言語ページで個別に評価されるべき要素です。日本語版で著者情報が充実していても、その効果は自動的に他言語版へ引き継がれるわけではありません。展開言語が増えるほど、この抜け漏れは発生しやすくなります。

著者情報を構造化データで示す方法

Googleは、Article構造化データのauthorプロパティを使って著者情報をマークアップすることを推奨しています。具体的には、著者の名前(author.name)に加えて、著者を一意に識別できるプロフィールページやSNSアカウントへのリンク(author.urlまたはsameAs)を含めることが推奨されており、author.nameには役職や敬称を含めず、名前のみを記載することも明記されています。役職を示したい場合はjobTitleプロパティを別途使います。複数の著者がいる場合は、1つのauthorフィールドに連名でまとめず、著者ごとに個別のauthorフィールドを用意することも、Googleが具体的に注意点として挙げている点です。

多言語サイトでは、この構造化データを各言語ページに個別に実装する必要があります。日本語版のみにauthor構造化データを実装し、翻訳版には反映しないという運用は、Googleの推奨する著者情報の示し方から外れてしまいます。著者のプロフィールページ自体を多言語化するかどうかは別途の判断になりますが、少なくとも各言語ページのauthorプロパティが、対応する言語の著者情報を正しく指し示している状態を保つ必要があります。

著者のプロフィールページ自体には、ProfilePageという別の構造化データを実装することもGoogleは案内しています。ProfilePageは、ページの主な内容が特定の個人または組織のプロフィールであることを示すための仕組みで、対象となる人物・組織を指すmainEntityプロパティが唯一の必須項目です。Googleのガイドラインでは、ProfilePageを使う条件として、そのページの主目的がサイトに紐づく単一の人物または組織のプロフィールであることを挙げています。Authorのauthor.urlやsameAsで指定したプロフィールページに、このProfilePageを実装しておくと、著者エンティティとしての一貫性がより伝わりやすくなります。多言語サイトで著者プロフィールページを言語ごとに用意する場合は、それぞれのページにProfilePageを個別に実装しておくことが望ましい対応です。

海外SEO担当者が次にすべきこと

まず、展開している言語ページを一覧化し、それぞれのページに著者名・監修者名のバイラインが表示されているかを確認します。日本語版にはあるのに翻訳版にはない、という抜け漏れがないかをチェックする作業です。

次に、Article構造化データのauthorプロパティが各言語ページに実装されているか、Rich Results Testで検証します。著者ごとにauthor.urlまたはsameAsが設定されているか、複数著者の場合に連名でまとめられていないかも、あわせて確認してください。

最後に、著者・監修者のプロフィールページについて、少なくとも展開先の主要言語では経歴や専門性がわかる内容になっているかを確認します。プロフィールページ自体が日本語のみで、翻訳版の読者がリンク先を読んでも内容を理解できない状態になっていないかは、見落とされがちな点です。あわせて、そのプロフィールページ自体にProfilePage構造化データが実装されているかも確認しておくと、著者エンティティとしての一貫性を高められます。

まとめ

E-E-A-Tは特定のランキング要因ではなく、Googleが良質なコンテンツを見極めるための考え方であり、信頼性(Trust)を中心に経験・専門性・権威性が組み合わさって評価されます。生成AI機能もこの品質システムを土台にしていると考えられますが、著者情報が直接のシグナルとして扱われているかどうかは、Google自身が明言しているわけではありません。海外SEOにおいては、日本語版で構築したE-E-A-Tの要素が翻訳版にそのまま引き継がれるとは限らない、という前提に立ち、言語ページごとに著者情報とその構造化データを個別に点検する運用が欠かせません。

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【記事監修】
Kollega株式会社 代表取締役CEO
菊池 明(きくち あきら)

2005年デジタルマーケティング支援企業に新卒入社。(2005年に上場)大手、上場企業のクライアントを中心にデジタルマーケティングに従事。2010年以降、海外法人の執行役員、取締役を歴任し、2019年同社副社長としてマーケティング事業を統括。メイン担当者として延べ20年、25か国/300社以上のコンサルティング実績を有する。2023年12月当社を設立、代表取締役CEOに就任する。

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