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2026.09.09
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海外SEOを支えるドメイン構成とhreflangの設計

海外SEOでは、コンテンツやキーワードを整える前に、対象国・言語ごとのページをGoogleに正しく認識させる技術基盤が土台になります。ドメイン構成とhreflangの設定を誤ると、狙った国のユーザーに違う言語のページが表示されたり、本来1つにまとめて評価されるべきページが競合し合って評価が分散したりする問題が起こります。本コラムでは、この技術基盤の設計と実装を、Google公式のガイドラインに沿って解説します。

多言語サイトと多地域サイトの区別

Google検索は、複数の言語でコンテンツを提供する「多言語サイト」と、複数の国のユーザーを対象にした「多地域サイト」を区別して扱います。前者は同じ言語圏のユーザーに適した言語のページを、後者は同じ言語であっても対象国に適したページを表示しようとする仕組みです。

海外展開を考える企業の多くは、実際にはこの両方に該当します。たとえば英語ページを用意していても、米国のユーザーと英国のユーザーとで通貨表記や配送条件を変えたい場合、それは多言語かつ多地域の設計が必要になるケースです。この区別を最初に意識しておくと、後述するドメイン構成やhreflangの設計方針が立てやすくなります。

ドメイン構成3パターンの比較

対象国向けのURL構成を決める際、Googleは「国別ドメイン(ccTLD)」「gTLDを使ったサブドメイン」「gTLDを使ったサブディレクトリ」の3パターンを挙げています。

国別ドメイン(例:example.de)は対象国を明確に示せる一方、国ごとに取得・運用のコストがかかり、ccTLDの取得要件が厳しい国もあります。サブドメイン(例:de.example.com)とサブディレクトリ(例:example.com/de/)は導入のハードルが低い一方、URLだけでは対象地域が言語を指すのか国を指すのか伝わりにくい場合があります。加えてサブディレクトリはサーバーの所在地が1つに限られ、地域ごとにインフラを切り分けにくいという制約もあります。なお、URLパラメータで地域を出し分ける方式(例:site.com?loc=de)はGoogleが非推奨としているため、新規に採用するのは避けたほうが安全です。

たとえば、アジア5カ国に展開する家電メーカーが、当初は言語ごとにディレクトリを分けたシンプルな構成で始め、事業拡大後に取扱説明書のPDFなど国ごとの個別対応が増えてきた段階で、一部の国だけドメインを分割する、という進め方も考えられます。展開国数が読めない立ち上げ初期は、あとから移行しやすい構成を選び、事業の拡大に合わせて見直すという発想が実務的です。

Googleが対象地域を判断する仕組み

Googleは、ccTLD、hreflangの指定、サーバーの所在地(IPアドレス)、ページに記載された住所や電話番号、使用されている言語や通貨、他の現地サイトからのリンクなど、複数の情報を組み合わせてページの対象地域を判断します。一方で、位置情報を示すmetaタグ(geo.positionなど)や地域ターゲティング用のHTML属性は判断材料に使われません。

またGooglebotのクロールは基本的に米国から行われ、アクセス元の地域を変えてページの出し分けパターンを探ることもありません。そのため、地域や言語ごとのバージョンはhreflangやccTLD、明示的なリンクといった方法で、Googleに能動的に伝える必要があります。IPアドレスの判定結果に応じて表示内容を切り替える設計は、Googleが正しくクロールできない原因になるため避けたほうがよいとされています。

hreflang実装の3つの方法

hreflangをGoogleに伝える方法には、HTMLタグ、HTTPヘッダー、XMLサイトマップの3種類があり、いずれを使ってもGoogleからの認識は同じです。3つを併用してもメリットはなく、むしろ管理の手間が増えるため、サイトの構成に合わせて1つの方法に統一することが推奨されています。

HTMLタグを使う場合は、ページの<head>内に、対象ページ自身のバージョンも含めたすべての言語・地域バージョンへのリンクを記述します。たとえば、米国・カナダ(英語)・カナダ(フランス語)向けにページを用意している場合、次のように3つの言語版とx-defaultを合わせた計4つのリンクを、いずれのページの<head>にも同じセットで記載します。

<link rel=”alternate” hreflang=”en-us” href=”https://example.com/en-us/” />
<link rel=”alternate” hreflang=”en-ca” href=”https://example.com/en-ca/” />
<link rel=”alternate” hreflang=”fr-ca” href=”https://example.com/fr-ca/” />
<link rel=”alternate” hreflang=”x-default” href=”https://example.com/” />

PDFなどHTML以外のファイルには、HTTPレスポンスヘッダーでの指定が使えます。ページ数の多い大規模サイトでは、URLごとに<head>を編集するより、XMLサイトマップに子要素としてまとめて記載したほうが運用しやすくなります。自社のサイト規模や更新頻度に応じて、どの方法が運用しやすいかを事前に検討しておくとよいでしょう。

hreflangでつまずきやすいポイント

Google公式のガイドラインでは、hreflangの実装ミスとして相互リンクの欠落と言語・地域コードの誤りの2点が特に多いとされています。

相互リンクの欠落とは、AのページがBのページをhreflangで参照しているのに、Bのページ側からAへの参照がない状態です。この場合、Googleは該当のアノテーションを無視するため、正しく記述したつもりでも機能しないという事態が起こります。海外向けサイトが多国展開するにつれてページ数が増えると、どこかの言語ページを更新した際に他言語ページ側の記述を更新し忘れる、というミスが起こりやすくなるため注意が必要です。

言語・地域コードの誤りは、言語コード・地域コードを指定していないケースです。国コードだけを単独で指定する書き方は、Googleには言語コードとして誤認識されるため使用できません。たとえばベルギー向けであれば、対象言語ごとに「de-be」(ドイツ語)「nl-be」(オランダ語)「fr-be」(フランス語)のように、言語コードを先頭に置いて地域コードと組み合わせる必要があります。同様に、EUやUKのような地域連合や非公式なコードもGoogleでは無視されます。使用できる言語コード、地域コードは以下で確認できるので、実装前に対象言語・地域のコードを照合しておくと安心です。

・言語コード:https://developers.google.com/workspace/admin/directory/v1/languages?hl=ja
・地域コード:https://www.ibm.com/docs/ja/iis/11.5.0?topic=sets-iso-territory-codes

汎用ページとx-defaultの使い方

同じ言語で地域だけが異なるページが複数ある場合は、地域を特定しない汎用ページも合わせて用意することが推奨されています。たとえば英語のページがアイルランド・カナダ・オーストラリア向けに個別にある場合、それ以外の英語圏のユーザー向けに汎用の英語ページを用意する、という考え方です。

さらに、ユーザーの言語設定がどのローカライズ版とも一致しない場合の受け皿として、hreflang=”x-default”を指定したページも用意しておくと安心です。x-defaultには対象言語を設定する必要はなく、言語・地域を選択できるトップページなどに割り当てるのが一般的な使い方です。

導入後に確認しておきたいこと

hreflangは実装して終わりではなく、設置後の検証が欠かせません。Google公式のドキュメントでも、hreflangタグの生成・修正や検証に使えるサードパーティツールがいくつか紹介されています。URLを入力するだけで相互リンクの有無やコードの誤りを確認できるため、複数言語のページを追加・更新するたびにチェックする運用フローに組み込んでおくと、相互リンクの欠落に気づきやすくなります。あわせて、Search ConsoleのURL検査ツールで対象ページが実際にインデックスされているバージョンを確認し、意図した言語・地域のページが表示される状態になっているかを定期的に確認することもおすすめします。

技術基盤の設計は、一度整えれば完了というものではなく、対象国・言語が増えるたびに整合性を保ち続ける運用が必要になります。海外SEOの成果を安定させるには、コンテンツ制作と並行して、この基盤部分を継続的に点検する体制を持っておくことが重要です。

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【記事監修】
Kollega株式会社 代表取締役CEO
菊池 明(きくち あきら)

2005年デジタルマーケティング支援企業に新卒入社。(2005年に上場)大手、上場企業のクライアントを中心にデジタルマーケティングに従事。2010年以降、海外法人の執行役員、取締役を歴任し、2019年同社副社長としてマーケティング事業を統括。メイン担当者として延べ20年、25か国/300社以上のコンサルティング実績を有する。2023年12月当社を設立、代表取締役CEOに就任する。

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